覚えのある思春期の心の闇「惡の華」(押見修造:講談社コミックス)全11巻

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独断的オススメ度は、⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 9

今初めて気がついたけど、1巻と最終11巻の表紙レイアウトが同じ。

やっぱこの仲村さんの物語という示唆でしょうか。

あらすじ

今回も6行あらすじ(PC上で)を書いてみます、、、

春日高男は読書好きで陰キャラの中学2年生、クラスメートで優等生の佐伯奈々子に思いを寄せていた。一方後ろの席の仲村佐和は反抗的な言動でクラスから浮いている存在だった。ある放課後、教室で佐伯の忘れた体操着を見つけた高男はそれを持ち帰ってしまう。翌日教室は騒ぎになり罪の意識に苛まれる高男。その日の下校中に出会った仲村は、春日に体操着を盗むのを見たと告げるのだった。「ばらさないかわりに私と契約しよう」と言い、奈々子と付き合うようになってからもおかしな行動を強制する仲村。それが徐々にエスカレートしてきて、、、

安定の説明しきれなさ、、、

ジロさん

ジロさん

Wikipedia「惡の華

自分であらすじを書いた後、Wikiのあらすじを読むと「上手いな〜!」と思うのですが、

惡の華のあらすじは格別上手いと思います、ぜひ一読を。(精進しよっ!)

感想

押見修造さんの作品は好きでかなり読みました。

「ハピネス」も好きだけど、やっぱ「惡の華」が一番好きです

中学編の高男とヒロイン2人、そして高校編の高男とヒロインの常磐文。

4人とも(奈々子や文でさえ)孤独感や鬱屈を抱えている。

田舎生まれ故の閉塞感や「ここで生きて、ここで死んでゆくのか」という感情は自分も持っていた。

結局自分は県外に出て20年してUターンするのだけど、あの頃の感情が懐かしくチクリと痛い

今はもう「何者にもなれない自分」を受け入れてはいるけど、

突然「あーーーっ!」と叫びだしたい様な感情があの頃には確かにあった

主人公の高男は、決して仲村に引きずられて非常識な行動に走ったわけじゃなくて、

多分に自発的な要素もある。

奈々子と普通につきあってたら普通に幸せになったのかもしれないけど(この漫画が成立しないが)、

仲村を見捨てず、一緒に事件を起こして転校したことによって、

結果的にヒロイン3人とも(奈々子でさえ)救っているのかもしれない

押見作品の魅力は、作者の変態性が垣間見えるストーリーももちろんですが(笑)、

うつなつ

うつなつ

やっぱ女の子が可愛いんですよね〜

しかも現実的にいそうな性格の可愛さ。

本作の常磐さんと「ハピネス」の五所さんは、押見作品の私の2大ヒロインっす。

一緒に仲村さんに会いに行く駅での常磐さんとか、ホントに美人!

こんなストーリーでもラストは自分の好きなハッピーエンドで、終わり方も印象的。

このラストは私も好きなので、ぜひ読んで欲しいですね〜

これ言うと怒られるけど、4巻表紙の仲村さんが学生時代の次女にそっくり(笑)。

幼い頃の長女は、1作目のハリー・ポッターにそっくりですけどね(笑)。

おまけ

今日の新聞は、大島弓子さんの文化功労者受賞に、白土三平さんの死亡記事。

お二人の作品も、また再読したいものです。

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